中小企業で活用したい「ものづくり補助金」

記事監修

藤森税務会計事務所
代表/税理士 藤森雅生

会計事務所に入所後、15年以上にわたり普通法人から公益法人まで様々な業種・規模の税務・会計・経営コンサルティング業務に従事。税理士法人の副代表社員を経て、令和2年に独立開業。「誰よりも相談しやすい税理士」をスローガンに、個人・法人問わず様々な業種の経営者様をサポートしています。

 

中小企業が事業を行っていく上で、人手不足を解消したい、業務を効率化したいなど様々な悩みを抱えていると思います。そういった悩みを解消すべくいざ動き出したときに支援をしてくれるのが補助金です。補助金は融資と違い、原則返済の必要がありませんので、有効活用して経営改善に役立たせましょう。

補助金の中でも今回は「ものづくり補助金」について説明します。

 

1.補助金とは

本題に入る前に、まずは補助金について説明します。

補助金とは、国や地方公共団体などが政策目的に合った取り組みを支援するために企業や個人事業主に対して交付する給付金です。

以下のような特徴があります。

 

① 原則返済不要

補助金は、原則返済不要です。これは最大のメリットと言えます。

 

② 原則後払い

補助金は、原則使った経費の一部が後から支給されるという仕組みです。融資と違って先にお金がもらえるわけではないので注意が必要です。

 

③ 公募期間が短い

補助金は、予算や件数が決まっているため、抽選や先着といった公募方法を用いる場合が多いです。そのため支給要件の発表があってから締切までの期間が短く、さらに人気の高い補助金は締切前に公募が終了する場合もあります。

 

④ 審査が厳しい

補助金は、申請さえすれば簡単にもらえるわけではありません。予算に限りもありますので、厳正な審査があります。苦労して申請しても確実にもらえるわけではありません。

 

⑤ 支給までに時間がかかる

補助金は、厳正な審査の過程を経て支給されるものですので、申請してから支給まで時間がかかります。申請してから1年後に支給されるケースもあります。

 

 

2.ものづくり補助金とは

それでは今回のテーマである「ものづくり補助金」について説明します。

 

「ものづくり補助金」は正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言って、中小企業・小規模事業者等が取り組む新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資を支援するものです。今は新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に、補助率を引き上げ、営業経費を補助対象とした「特別枠」が設けられています。

 

① 補助上限

補助上限額は1,000万円、今ならコロナ感染防止対策の「事業再開枠」として50万円の上乗せがあります。海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資等の場合3,000万円となります。

 

② 補助率

補助率は、投資額等の原則1/2、従業員5名以下(一部業種は20名以下)の小規模事業者であれば2/3になります。新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資を行う事業者に対しては特別枠として、2/3又は3/4となります。

「事業再開枠」の場合は、10/10です。

 

③ 補助要件

補助要件は、以下を満たす3~5年の事業計画の策定し、従業員に表明していること。

・付加価値額 +3%以上/年

・給与支給総額+1.5%以上/年

・事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円

*付加価値額は、営業利益に人件費、減価償却費を足して算出します。

 

 

3.まとめ

補助金の支給を受けることは簡単ではないですが、コロナ禍の厳しい状況下では特に経営改善の手助けとなります。今は新型コロナウイルスに関する特別枠もありますので、一度補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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